世間のニーズはさまざまです。 きものに対して、期待と困惑が両方あって当然なのです。 商売をしていると、矛盾が両立してる面白さを感じることがあります。 最近増えたご相談をならべてみましょう。
タンスに眠った着物を処分したい。
じっさいに保管(放置?)されていた着物を拝見すると、その数に驚きます。
普段用の和服なんて今ではちょっと考えにくいでしょう。
ご相談に来るかたはほとんど、知識がない(または忘れてしまった)ので、
「その着物は何か」説明することからはじめています。
使用するTPO、保存状態、金銭的価値、希少性、サイズなど。
お客様が仕分けする目安をお話しします。着物って、なかなか捨てられないでしょうが、
「そのまま」では今までと同じです。生かす知識とお手伝いをしていますので、ぜひご相談ください。
生活様式が変わったので、数よりも質(乱暴ですが)9割以上、不要かも知れません。
関心を持たないことが、「モッタイナイ!」と思います。
身内の着物を再生したい。
サイズ直しやお手入れをして着物を着ることは、まったく自然なことです。
ただ、しばしば起こることですが、新しい別の品を購入したほうが安い場合もあります。
こんな場合は、合理的に考えれば不自然なんですが、
金銭に関係なくご依頼されるかたも確実にいらっしゃいます。
思い出が詰まった「人生の証」なんでしょうね、人間的だなぁと思います。
若いひとにはピンとこないかも知れません。実際、わたしも
実例をたくさん見てきたので、理解できるようになりました。
親や祖母からの贈り物…はやりの言葉でいえば、絆でしょうか?
お金をかけても大切にしたい想い入れです。