【3】「きもののはなし」

<<第二回 Japan blue >>

きもの、作務衣、のれん、をはじめ染め付け陶器、小物、雑貨などなど、 あらゆるところで幅広く使われ、生きつづけているもの。 ジャパンブルーの世界、今回は「藍染め」のお話です。
超有名なジーンズのモデルチェンジがされた時のこと。スタッフはまず、日本に来ました。 どんな「青色」が良いのか検討する為です。 ジーンズにはインディゴブルーと呼ばれる染料が使われます。ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、 中国、またインドなど、青の染めはどこでもありますが・・・・

日本の「藍染め」は まったく おもしろい染めです。 かつてわが国を訪れた外国人は藍染めを見てJapan blueと絶賛しました。 わたしたちの身の回りにある、何十種類に及ぶブルーの色合い。 それは一つ一つに固有の名前が付き、僕らの先祖が青というカラーに特化した文化を持っていた 事をあらわしています。ことわざ「紺屋の白袴」「青は藍よりい出て〜」 確かに生活に密着していたのです。(過去形?)

ホントの藍染め。いわゆる化学染料インディゴと藍染めは、 (ぱっと見て)区別ができません。 それでは何処に特徴があるのでしょう。私が好きになったのは、やはり目に見えない「良さ」でした。 それは・・・藍染めに抗菌効果や防虫効果があるからでは無く・・・・ ヒトの手で作り出すことが「できない」事実を「良いな〜」と思ったのです。 染料のもと「すくも」はつくるのでなく、育てるものなのだそうです。
藍染めに携わる人(藍師)の言葉。 「藍は生きています。」自然による「発酵」。これを毎日お世話する。 「ぬかみそのように、常に塩分を入れていかないと 腐ってしまう。それと同じで付きっきり。」こんな染色は、どんな草木染めにもありません。 発酵の過程を「藍を建てる」というそうですが、文字通り五感を使う作業。 それでも、「何十年か後に分かるひとに分かってもらえればいい。」 「周りの人が分からなくても、いい。」・・・・なんでだろ〜! 藍師の方によると、「うれしいから。」藍と付き合うことが。自然から学ぶことが。

ホントの藍染め(正藍)。高額だけど私は高級とは思いません。むしろ農家のおばあちゃんに使ってほしい。 それから、アウトドアの似合う物だと思います。 大いなる自然の恵み。それは現代の生活こそ、欠かすことの出来ないエッセンスです。
藍に魅せられたひとりです。(ここには)本藍の値段やら(不粋です)、嫌いになる話(化学染料と違い不便な事)は 書かないことにしましょう(笑)。

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