【3】「きもののはなし」

<<第三回 男のゲタ >>

ハキモノの種類、色々ありますが、身近なゲタのはなしです。 皆さんよくご存じのモノですから、ちょっと詳しくなってみてはいかがでしょうか。 男ゲタだって、奥は深い!

木製で裏に二本の歯が付いた下駄。定番にも、普及品と高級品があるのです。 見た目には余り変わらないですけれどね。普及品は5000円前後、一万円以上が高級品 でしょうか。
まず高級品は「柾目(まさめ)」部分を使うので大量にはとれません。 柾目がキレイであるほど値段は高く、3万円ぐらいの物は逸品と言えるでしょう。 (そもそもゲタは男女とも左右なく履きますが、実はこの木目の細かい方を外側になるよう に使うのだそうです。)左右対称の柾目ゲタを作るには「拝み取り」をして 同じ桐の同じ部分から作る、ということになります。
普及品は柾目以外の部分で作った物です。歯の部分に限らず、足を乗せる台も 張り合わせている事もあります(天二といいます)。 天一は張り合わせていない台の下駄です。とはいっても、普及品でも普段の使用には十分、満足できます。 あとはサイズや鼻緒の種類ですこし値段が分かれ、 材質では杉や檜、桐そっくりの山桐は安い物があります。山桐とは北米産のものをいうそうです。

(天狗の履いてるような)1本歯、これは選ぶことも・見かけることもほとんどなくなってきましたが、 ゲタの裏側、「右近」や「のめり」といったデザインの下駄は、どこでも手に入ります。 じつは定番のデザイン「日光」より歩きやすいとか。
鎌倉彫の下駄、見た目がかわることも面白味がありますね。鯉や竹、般若など表面に彫刻していて、足の裏に隠れて (隠して)自己満足に浸れる逸品。訪問先の玄関での高級感、存在感が気持ちイイ。

ただし、どんなゲタでも車の運転は、危ないですよ〜。 (雪駄に)はき換えましょう!

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