【1】もっと自由に着よう

<第四回 洋服から学ぶこと>

オシャレのスタイルは「無限」!きものだって洋服のように楽しみたい。
形容矛盾のスタイル「セクシーエレガント」「チープゴージャス」「クラシックモダン」・・・ 洋装ファッションにはこうしたトレンドがあるのですから、現実的に着物を楽しむ時にはお仕着せの伝統、 定番だけではつまらないですね。 茶髪でも「上品」をめざす。キチッと着ながらも、「遊んでみる」。 そんな幅の広いきものの楽しみがあってもよいと思います。 洋装から和服の楽しさの幅を広げるヒントを書いてみましょう。

茶の湯には「見立て使い」という言葉があります。 本来の用途ではない道具を工夫して使うことです。 きものも形式にこだわるように思われていますが、自由にその場に応じた 発想を貴ぶ事も良いのではないでしょうか。
たとえば、テーブルライナーはそのまま帯に利用できます。小物ではブローチを帯留めにできますね。 さらに、ネクタイを半襟に、スカーフを帯揚げに・・・・上手に利用している人もいるのです。
(そのうちにギャラリーの方でご紹介したいと思っています。)

発想の転換とともに大変勉強になるのは「利休百首」です。 こちらはトレンドの底にあるものです。(実は生活の中のあらゆる事に通じる心得だといえますが。)

規矩作法守りつくして破るとも 離るるとても 本を忘るな

利休百首からの一つです。俗に「守・破・離」といわれます。 きものには、更紗柄やトンボ玉をはじめ、海の向こうの影響をうまく取り入れたものが沢山あります。 温故知新とは、そういうことでは・・・と思います。
場合によっては、もちろん「着物は着物」ですので、おかしな格好を笑われることになるかも知れません。 ですが、着物が好きなひとに「本を忘る」人は滅多にいないと思うのです。

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