【3】「きもの のはなし」

<<第15回 男のきもの講座 後編 >>

着たときの効果を考えると、きものの存在はインパクトがあります。 さて、ちょっとしたお節介ですが、着物すがたの時は 物腰に気を使うと好感度が上がります。(堅くならなくても良いです) きものは「大人びた」頼りがいを感じますし、落ち着いた雰囲気も 魅力的ですから、自然な態度で自分の株を上げてみましょう。 今回の基礎知識も<案外、知られていない>ので、 「物知り顔」してお役に立てて下さい(笑)。

●フォーマルの着物… 正式なのは、5ヶ所に家紋が入った「黒の紋付き羽織袴」の着物姿です。 羽織紐は白で、下駄は不可。袴は縞になります。小物として白扇を持ちます。 また、袴をつけない姿を「着ながし」といい、くだけた気軽な外出に向いています。

男のきもの
「織り」の着物
大島紬は渋い「泥染め」の、とても人気のある着物。亀甲柄が定番です。 シャキッとした風合いで、たいへん丈夫。 昔から伝統的に産地で作られている「伝統工芸指定品」なのです。 「伝産品」にはその他「牛首紬」「結城紬」「天蚕紬」などが男性に向いています。 「伝産品」でなくても、絹100%の織りのきものはオススメです。
「染め」の着物
紋付きのフォーマル着物は「羽二重」という絹に染めをして作っていますが、 その他のきものでは、あまり定着していません。
お召し
「織りのきもの」と「染めのきもの」の中間、といった風合いの着物です。 (僕は大変好きです。)
ウール(毛素材)
比較的安くて、お正月・初詣に着るだけなら、これ1枚で充分かも。 ウール100%以外に絹が混じった、混紡もおすすめです。絹が混じるほど軽くてしなやかになります。
ポリエステル素材
洗えるきもの。最近は品質も良く、手軽な値段なので僕もお世話になっています。 すこし変わった色で作ってみたり、夏用に用意したり。

●男性の着物はほとんどが無地か、あるいは細かい「かすり」柄が主流です。 (浴衣や踊り衣裳の派手なものは例外的。) きものを見るポイントは、その素材・風合い(手触り、肌触り、光沢、しなやかさ) です。
●おび …男性の帯は2種類しかありません。角帯と兵児帯(へこおび)です。 角帯はきりりとした装いで、礼装やはかま着用時はもちろん、浴衣でも多く使います。 たいして兵児帯はくだけた雰囲気を楽しんで、浴衣や木綿のきものに良くあいます。 角帯は無地のほか、「献上柄」といわれる博多の独鈷紋(どっこもん)や縞がポピュラーです。 兵児帯は、しぼり加工。端だけ絞ったもの以外に・全体を絞ったものがあり、たいへん 恰幅良く見えます。
●アンサンブル? アンサンブルとは、「お対のきもの」の事を言います。 着物と羽織、この2枚をまったく同じ素材、色であわせて着ることです。 (ちなみに、この言葉はフランス語。) 羽織と着物を違う色、ちがう素材で着るのも「おしゃれ」に見えます。
●男の「おしゃれ」? きものはシンプル、さらりと着こなすのが粋ですが、 男性独自のオシャレがあります。それは、羽織の裏地、長襦袢を派手な 柄物にして着ること。これは江戸時代の「奢侈(ぜいたく)禁止令」によって、 見えない所にこだわったのが始まりです。 例えば、富士山、タカ、虎などを大胆に描いたもの。今でも定番になっています。

最後に(独り言ですが)…きものを着た時にはやっぱり、 キレイな着物女性がそばにいて欲しいですね!  

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