最近、ウチの市町村にも、とうとう激安きものショップができました。 以前に「980円の留袖なんてありえない!」と掲示板に書いたことがありますが、 みなさんはどう思われますか?きもの本来の魅力や楽しさ、 時代に合ったサービスは他にやり方があると思います。 身近に感じる伝え方は決して価格だけではありません。
さて、ドラマの「タイガー&ドラゴン」をご存知ですか? トキオの長瀬君が古典落語に挑戦しているはなし。おもしろいです。 テンポが良いし、現代的です。落語も詩吟も浪曲も義太夫や歌舞伎・狂言なども、 こうして楽しめたら日本ってスゴイですよね。・・・・きものも同様だと思います。

【1】もっと自由に着よう

<第8回 似て非なるもの>

きものは気軽なもの。魅力があるもの。 今回も、単純なことですが、くり返し「仰々しさ」「無縁の長物」のイメージ(先入観)を ズバッと斬りたいと思います。僕の文章表現は未熟ですが、恐れず恥をさらします。

<洋服>と<きもの> この関係を伝えるために、例えを考えました。
たとえば <パック旅行>と<ひとり旅>。
たとえば <チン料理(電子レンジ)>と<手作り料理>。
たとえば <自動車>と<バイク>または自転車。

この例えは、私の素直な感覚です。ぼくはバイクが好きで(若い頃は)旅にもよく出かけました。 そしてある時、二輪車と着物って、とっても似てる!と気が付いたのです。 (こう話すと、みんな、かなり疑いますが。)初めて使うのに練習が要ったり、雨の日がめんどうだったり、 お手入れも必要。毎日使うことができますが、慣れが要ります。 そして同じ1日でも「感動がより大きくなること」がいちばん似ています。やっぱり「楽しさが違う!」「世界が違う!」
日常生活では「便利」がとても必要なことなので、車や洋服も絶対必要です。 ですが、コンビニ弁当でおふくろの味のかわりにはなりません。 同列に考えるのはおかしいのです。 ですから、きものを生活に取り入れることは、洋服とは違う楽しさが感じられる1日になります。

「着物なんていつ着るの?」とか「遠くて縁のないもの」と感じる方も増えてきました。
昨今、先入観がじゃまをしてます。 誤解してる人、まったく知らない人もいるでしょう。 先ほどの例えは・・きものも、生活を彩る選択肢のひとつで、 使い分けの感覚を知って欲しかったのです。 決して特別の人だけのものじゃないし、どれも楽しいことに変わりないのです。 先入観のある人は、「しきたり」とか「ルール」とか考えがちですが、それを決めたのは 先生と呼ばれるような人たちではありません。もちろん、きもの屋でもありません。 「使い分け」も「TPO」もきものを着るみなさん(あなたを含む!)が築き上げてきたもの。 自信を持ちましょう。安心しましょう。・・・目からウロコに思っていただければ。
はじめは右も左も分かりません。ラクほうを選びがちですが、体験するうちに自分のペースで なんとでもなるのです。決して、はじめから上手でなくても良い! きもののポイントを覚えて、要領がつかめてきて、手を抜くこともおぼえて。

そして・・・もう一度。きものと洋服。これは、似て非なるモノです。
洋服できものの代わりにはなりません。 気持ちの持ち方「同じように楽しもう」「ファッションとして同列」が共通しています。

趣味や文化は特別な意味を持たせること。結婚式やお正月、夏祭り・・・洋服でいいや・・・と思わないでネ!

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