さて、モノ作りを継続するためには、技術を集めた高級品も売ってゆく必要があります。
このはなしを前回に続いて書きます。
「一定の規模がないと文化は護れない」といいます。
モノづくりの現場(各工程)で最新の技術の開発・伝統技術の継続のためには、
品質と価格が多様な販売が堅調に推移することが望ましいのです。大げさな話しですが、文化の牽引役というと・・・例えば、
最先端のパリのファッションショーやF−1の世界レース。
一般人には直接、生活に結びつかない世界です。ですが、それぞれの分野を維持継続させるために
不可欠なステージだといわれます。
新しいことにチャレンジし、研究し、そのなかから一般社会に還元されるモノが出てくる。
商品を世の中に送り出すステージは、なじみのない世界から一般小売店まで重層的に必要です。
次元は違いますが、ウチのような家業店も役割があります。冒頭に書いた、みなさまとの
橋渡しだと思います。
本当の技術に裏付けられた伝統工芸品はそれなりの値段はするものです。 (だから長期的な価値があるのですね。) 激安だけでは、文化の継続はできません。(特化することに利便性はありますが。) さらに、販売員は着物の最低の知識をもっていて、 お手入れ、お直しなどのサービスも不可欠だと思います。 地域のお客さまにとって、継続的に安定して心地の良い店を創っていきたいです。
もう一度書きますと、売っておしまいではなく、本当のサービスが始まります。 着物ではありませんが、他店で買った品のメンテナンスだけを依頼するお客がいて、 その店の常連客が文句を言う姿を見たことがあります。 店はお客様によって育まれるし、長続きしないと迷惑をかけると思っています。 ・・・きもの文化はお客様によって育ちます。