あるお客様が、きものを持ってきました。
百数十万円で購入したとの事。しかしどう見ても品物にはそれだけの価値がありません。
うちで扱うとすれば30万円ぐらいかな。
帯の裏にはサインペンでなにやら書いてあります!?
いわく、「有名女優に展示会で勧められた」と。
すごい販売法が跋扈してる!と心の中で叫びました。
あるお客様が「訳あって、大使館へきものでお供します。」
しかし予算がない。訪問着を持っているけど、まだ新(さら)で使いたくないと言います。
店長はそれならと、ポリエステルの小紋(既製品)を売りました。
・・・いい年した大人の会話じゃ無い。
何でもかんでも自由じゃありません。みなさん分かりますよね。 ジーパンに10万だして、それで会社面接に行くヤツいないでしょ。それくらい不自然なことが存在します。 前者のはなしは、展示会の経費が品物に含まれた典型的な例。 帯裏のサインはただの返品防止策です。(女優のサインではなく、お客の名前をその場で 書き入れてしまう!きもの通で有名な女優を利用した商法なんでしょう。) 後者は、きものを生かせない人の例です。 この場合、レンタルでも良いからフォーマルなきものを使わないと失礼です。 きものを舐めているのか、行き先の相手か、同行する上司を舐めているのか・・・ おそろしい「程度の低さ」を露呈しています。
良い物とそうでないもの。あいまいさに、騙されたり、誤魔化そうとするのは人の世の常かも知れません。 ですが、度を超した不自然さは、とても残念です。 知識不足を責める気はまったくありません。はじめは誰もが初心者ですから。すこし調べれば分かること、 きいたり、比較して感じ取れることや理解できること。判断力・感受性を放棄しないでください。 注意・参考になればと書いてみました。