そのむかし、時を測る物差しは「何か物を燃やす」その灰の長さを目安にしました。
(例えていえば、蚊取り線香のような)・・中国ではそれを幾何学的に描いたそうです。
これが源氏香の前身となったものです。
時は移り、飛鳥時代の頃、お香は仏教とともに日本へ伝来し、(1400年前のことです。)
「香道」という文化がはじまります。(いまでもあります。)
源氏香とは組香の一つで、5種類の香料を混ぜ合わせて相手に何を合わせたか当てさせるゲームです。
そして、その回答に使うのが「源氏香図」です。「源氏物語・五十四帖」になぞらえて、この幾何学模様を「源氏香」と
呼び、各図案のひとつひとつに「夕顔」「若紫」「花散里」といった名前があります。
(第一帖と五十四帖をのぞいた52種類です。)
源氏香とは、時の移ろいを表すだけでなく、 「香りを装う」・・・見て楽しみ、感じて楽しむ(実際は臭わないのに、香りを感じさせる) 柄というわけです。こんなきものを着る時は、香水なしのほうが「粋」ですね! そして源氏物語は、ご存じのように「愛、欲望、罪、栄誉」など人間模様を描いた文学です。 そこで、情緒的な組み合わせとして楽しむことも行われてきました。 例えば夕顔と玉鬘(たまかずら)をならべて舟を描けば物語の一節を連想させるものでしょう。 なるほど!ロマンのある話ですね。かくされた意味を感じることもステキです。
源氏物語といえば、来年のお正月映画が話題になっています。 平安文化振興会の衣裳協力で、当店でも、着物のほかに映画関連の小物(レターセットやハンカチ、お香など) を販売しています・・・(これは蛇足かな??)