また、判じ絵は、着物や看板以外にも団扇のデザインをはじめ、戯曲の題名まで広く使われました。 例えば、人形浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」・・・これも赤穂浪士討ち入りを連想させるために考えられた、判じものです。 当時、幕府にとって罪人の大石蔵之助を実名で上演することは出来ませんでした。そこで主人公を「大石由良之助」として、 題名の蔵の字と併せて表現したわけです。また、かな文字は47であり、討ち入り浪士の数を連想させました。 さらに、仮名文字を7文字ずつ区切って最後の文字をつづけて読むと「とかなくてし」→「咎無くて死」という メッセージがある、という説もあります。時に暗喩、暗号としての使われ方もしたようです。 判じ物は、ダジャレであったり、逆さまに読むモノだったり、パターンは多彩です。 擬人化もあります。ガマガエルがお茶をたてている様子から、「茶釜(チャガマ)」をあらわす、とか。 浮世絵では、よく絵を見ると遊女の名前をどこかに隠している?こともあったそうです。
判じ物の起源は、平安時代の「掛詞」で現代のユーモアの原点といわれています。 江戸時代には狂歌、連歌といったコトバ遊びも流行しました。 今でも、女子高生の間でこの遊び心が見られますね。 メールの独特の表現や隠語は、ナカナカ楽しい。「与謝野ってるよ〜!」は、寝ぐせを指摘するときに使うコトバ。 「みだれ髪」から連想するみたい! 判じ物は、しゃれと粋を表現する庶民のユーモア。 伝統的なデザインも、身近に感じられますね! 私が好きになった判じ物は「春夏冬二升五合」これは、商い益々繁盛と読みます。