「和」と「いやし」は立派な生活文化となりました。 来年度の成人式「男性用のレンタル」はどこも予約で一杯だそうです。

【2】世間はきものを待っている!

<第八回 和ブームのゆくえ。>

オシャレきもの・アンティークきものが 脚光をあびてもう数年になります。和ブームはアジアンテイストまで広がって、 新しい流れが出来つつあるようです。 ただ、きもの自体は「爆発的」なブームではなくて、あこがれと趣味の間で 静かに広がっているようです。 きもの本が増え、ネットからもいろんな情報が簡単に知ることが出来 ます。きものを着なくても、 和に触れることは着実に身近になりました。 この環境はうれしいことです。 一方で、でもやはり「和といえば着物。」身につけてみて初めて感じる発見や 感動は別モノです。本のなかやインテリアと違った「自分体験」「現実(生活)の 一部になった時」がいちばん素敵です。

先日、ひさしぶりにお茶会に出かけました。 僕はそこで、キモノが好き、ということよりも、 僕はキモノを着ている姿(ひと)が好き、ということを改めて思いました。 洋服だと、絶対こうは感じなかったと思います。たぶん、お茶会の 「よくわからない高価な道具」「読めない掛け軸」が主役になったかも? ・・・お手前(のしぐさ)や、お茶をいただく人が(格式に)負けちゃいけない! ・・・きものの存在感は、人物に主役の魅力を出していました。 さて、プロから見ると、どんな物を着ているか、だいたい分かるのですが、 (金額も?) 実際には、お金をかけている人・最近買ったばかりの着物、のほか、 タンスにあった懐かしいきもの・定番をじょうずに着ている人も、 半数ちかくいて、バリエーション豊かな目の保養になりました。
日本に生まれ育っても、和文化は体験しないと身近に感じません。 僕もきもの屋に生まれて、いつの間にか着物屋の人間になりましたが、 身近に感じるようになった、最大のキッカケは「人との出会い・かかわり」だったように思います。 着物好きの人からのお話を聞くこと・きもの姿を見ることが直接、こころに伝わるものでした。

関西のある居酒屋チェーン店では、高級料亭風の室内空間・もてなし・そして「きもの姿の女将」 であたらしい分野を開拓しはじめたそうです。 女将は、お花・筆ペン・接客の総合を学んで実践する、とニュースで特集していました。 大衆向きにこんな趣向を発信することが「今、世間に求められている」新しいニーズなのですね。 「着る・見る」和体験が、着実にすすんでいます。

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