フリソデは長ーい袖がエレガントな和服です。でも、 きものを着る時には「おそで」の扱いにちょっとした注意も必要。 テーブルの上にある物を取るときなど、乱雑なしぐさでは、 うっかり物を倒したり、きものを汚したり、トラブルの原因になってしまいます。 ゆっくり、上品に動作しましょう。そして、手を伸ばすときは、 逆の手でたもとを押さえることが重要。。 なんだか、メンドクサイ! きものの「袖」は邪魔な存在に思えますか? そのワケ・歴史を知ると、とっても必要な?存在になるかも。 …大昔、飛鳥時代の女の人は、 「ひれ」といって、今でいうシルクのロングストールのような布を腰から 垂らしていました。この「ひれ」は自分の感情をあらわす小道具や 女の子らしいエレガンスさを見せる演出に、上手に使っていたんです。 たとえば、男性を近くへ呼ぶ合図にしたり、恥ずかしいときに顔をかくしたり、 笑うときにさりげなーく、口もとにあてたり。。 これが、平安時代の十二ひとえで大きな袖になり、江戸時代に今のような 長い袖になってきたのです。使い方はずーっと同じ。
ふり袖はその名の通り「袖を振って」男性を誘うのです。 ですから、未婚女性の着る物なんですね。ちなみに、結婚後はおそではちょん切って、 (袖をつめる)から、留め袖というのです。
さて、お袖の長さもイロイロあるのですが、いまでは標準(49センチ)と 振袖用(約115センチ)の2種類しかご存じないかも知れません。 昭和の初期までは「日常で!」お嬢様はふりそでを着ていました。 黄八丈、大島つむぎなどの個性的なふりそでもあったようです。 そして、さまざまな長さのお袖のきものを使いこなしていました。
日本独自のしぐさ、ボディランゲージ。知的な異性のさそいかたですよね! こんなふうに、誘われてみたいものです。(笑)