【2】世間はきものを待っている!

<第27回 冠婚葬祭。>

知ってるつもりの冠婚葬祭。その意味を調べると驚きませんか?祭は法事のことですね。 私事ですが、今年は喪主をしたり、息子が生まれたりしました。もちろん仕事のうえで成人式・卒業式も忙しかったですから (これを書いているのは3月末です)、 「冠婚葬祭は人生のエッセンス」だと強く感じています。

ヤフー知恵袋より 「祭」・・・法事に「お盆」「正月」「七夕」「年末」「中元・歳暮」などを加えて考えるのが一般的。おおよそ祖先礼拝を中心に一年間の季節行事。 「冠」・・・成人式です。これに「合格・進学祝」や「就職祝」、そして「七五三」「還暦」なども加えるのが一般的。 おおよそ一人の人間の「節目」についてのお付き合い。
冠には「誕生」「初節句」「卒業式」も含まれるでしょう。意外に多いと思いませんか? これは、個人、親族、社会のそれぞれのレベルでつながり、関わり合えるチャンスなんだと思います。 地域性もあってやりかたに正解はありませんが、少しだけ意識すれば。気持ちが豊かになるでしょうね。

弔いも過程が大事です。
この正月に義父が亡くなり、はじめて喪主を努めました。初七日はともかく、二七日、三七日・・・を知らなかったので(恥)とまどいながら、 七七日(しじゅうくにち)の用意をしました。 妻の田舎では、町内の同じ組の人は納骨からすべて同行するので、マイクロバスのサービスがある昼食会場を手配しなくてはなりません。 地方選挙の日に重なり、会場が遠くになったのは仕方ないとして、かわりに法要御礼の品にこだわってみました。 義父のことは突然だったので、法事を通して気持ちの整理ができます。故人の人生に想いをはせ、つながりを再確認する作業は必要です。 親族が集まる機会は稀ですから、昔は宴会のように賑やかだった記憶があります。 最近は喪服を見かけることは少なくなりましたし、法事も出来る規模で縮小せざるを得ない時代かも知れません。
商売のハナシで恐縮ですが、18年前にお客様が言ったことばを思い出しました。 「孫に最初に買ってやる着物は決めていた。振袖よりも喪服のほうが大事。」 時代は変わりましたが、道徳観にうなずきます。

伝統的に行われてきた行事も揺れてくる? 冠婚葬祭のカタチは崩れてゆくのかも知れません。 それによって隙間がたくさんできるのではないでしょうか。 道徳観は変わらないので、せめて、自分なりに気持ちを埋めるような行動をとりたいです。 そして、そうした仕事がしたいと思います。

糸美屋TOPへ

コラムTOPに