【2】世間はきものを待っている!

<第28回 絹の日をつくりたい!>

3月28日はシルクロードの日だそうです。呉服の日(5/29)、和服の日(11/15)はありますが絹の日はありません。 なお、シルク製品を販売する目的で絹婚式の日がありますが、知られてないですね。

昨年、富岡製糸場が世界文化遺産に認定されました。 日本は近代、世界中に大量の絹を輸出して富国強兵を目指した、というのが教科書の事実。 絹は伝統文化であり主要産業だったのですね。養蚕、製糸、着物にかかわる人口も多かったハズです。 庶民が絹を使用できるようになったのは明治からですが、宮崎友禅斎が友禅染めを確立したのは1700年のこと。 着物の歴史と養蚕業の栄光は立派な財産です。日本は絹の国と言って良いかも知れません。 さらに、皇室の行事には稲作とともに養蚕も取り入れられていますので、 精神的な支柱ともいえそうです。

ただし、それは昭和とともに終わりました。絹と着物の現実を書くと、例えば養蚕農家の数は50年前80万戸、今では3000戸。 京友禅のピークは1971年で1650万反でしたが、2012年は47万7千反。30分の1以下です。 名実ともに絹の時代は終わりました。
ですが、絹を遺産といっては寂しい! 過去に輝いた時代があったから、今のステータスがあると思います。 今でも絹と言えば着物、外国から見れば着物は日本の美的コンテンツのひとつです。サムライ・ジャパンみたいに、 これからもイメージや二次コンテンツで国際的に発信できないかな??

写真は駒ヶ根のシルクミュージアムに行ったときのもの。
自然、歴史、産業、素材、国際、科学、医療、食品・・・さまざまな角度で絹を知ることができ、 展示や映像鑑賞、体験もできる施設です。 糸美屋として糸のことは押さえておきたいw 予想通り、きもの検定に出題された知識、知らない知識、盛り沢山ありました。 2時間半ゆっくり回ったら良い勉強になりましたよ〜。 今やシルクは医療への利用やインテリア、化粧品、食用まで広く活用されているそうです! フィブロインたっぷりの絹アメを買ったり、「おカイコって、オームだ!」と気づいたりww  (ひとは森をはなれて生きられないw)
人に美しい感動をあたえる素材を大切にしたいです。

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