【2】世間はきものを待っている

<第17回 激安セールのチラシ。>

最近は着物屋もバーゲンを多く行っています。 モノが動かなければ経済は停滞してしまいますし、 カジュアルな価格や品物で市場のすそを広げることも大事です。 しかし、モノ作りを継続するためには技術を集めた高級品も売ってゆく必要があります。 (この話は次回にしますが)まずは、激安チラシの注意点と 過剰拡大について警告したいと思います。

あまりに気になる「激安セール」。
不自然な広告は不信感を持ってください。 「8割9割引き」となれば、元の値段はなに?閉店するの?と疑って下さい。 着物は簡単に価値が落ちるモノじゃないです。毎月のように激安をうたう店は よく注意して付き合いましょう。
同じ着物屋として、こうした広告を見ると哀しいです。 衝撃的なのは980円の黒留袖や10円の和装小物! ・・・着物に対する愛情が感じられません。 着物に想いが込められてると思えません。 当店の近郊にも「和○」「や○うち」「着○屋」が激安セールを常時おこなっています。 これらはディスカウント店ですね、量販店やチェーン店だから仕方ないのでしょうか? 私は、品物に愛情をもつ人(生産者やお客さま)に対して失礼な行為に見えてしまうのです。

「賢く」買うこと。
ハッキリいいますが、値段だけでいえば、ネットの世界が一番安く手に入ります。 (着物に限らず当てはまりそう?) 新聞の折り込み広告に出ている「衝撃価格」は演出系が多いです。 「着物は高い」という従来の概念を打ち破る行動は、一時期必要に感じましたが、 消費者を踊らせる広告を毎月行うのはいかがなものでしょう・・・集客だけが目的ではないでしょうか。
「店」とは品物と生活者をむすび、心をそえて暮らしを豊かにする場所だと思います。 ちょっと理想っぽい表現ですが。少なくとも、 着物の専門店として、誠実な商いを続けたいと思います。(もちろん値段も誠実に。) どこの地域にも必ずいる、上質なお客さま、そしてこれから着物を知ってゆくお客さまにとって、 憧れと夢をもっていただけるような広告チラシを創っていきたいです。 なぜなら、売っておしまい、買っておしまいではなく、スタートですから♪

当店のバーゲンは毎年1回か2回です。。

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