自由にきものを着たい、そう思うときに「決め事、ルール」はウザイ?かも知れません。
でも、セオリーは長い年月で作られた「型」だと思います。とても参考になります。
てっとり早く例をあげましょう。
「春大島、秋結城」という言葉があります。
これは紬の代表である大島紬と結城紬はそれぞれ春と秋に最適な
装いという意味です。着心地が良いからです。
季節によって、生地の作られた産地(素材の特徴)を合わせるのは、
使い方のセオリーのひとつです。
また、「染めの着物に織の帯」これはコーディネイトのセオリーです。
フォーマルな装いがこの組み合わせになるのは、それぞれ高品質でエレガントな作品が出来るから。
セオリーを知っていれば初心者でも安心して着物を着ることが出来ます。
セオリーの原点は・・・
着物の決め事は誰が考えたのでしょうか?
着物屋?着付け教室の先生?茶道、華道の師範でしょうか?それともどこかの偉い人??
・・・・いいえ、着物を着るすべての人、普通の人々から生まれたのです。
セオリーは色んな場面で見つけられます。 それは利便性、経済性、TPOや年齢、時代背景から・・・ 「方便」として定着したもの。方便とは、そのようにした方が合理的で使い勝手が良いと習慣化されてきたこと、です。 ですから自由に着ることは、セオリーと矛盾しません。 不自由になるために生まれたのでは無いからです。 絶対守らなくてはいけない理由もありません。新しいセオリーがこれから生まれる事もあるでしょう。 「ハカマにブーツ」という組み合わせだって、近年出来たのだから。
あなたが「自分流・オリジナル」を考えても、実は、 誰かがこれまでにやり尽くしている事が多いのです。 数百年の歴史の中で、延べ数千万人の誰かが、あなたと同じ事を 考えた結果・・・これが積み重なった「型」。 試行錯誤してみるのも楽しいですが、はじめはセオリーを「道しるべ」にしましょう。 いろいろなセオリーは本屋さんで売っているので細かく書きませんが、 コラムでは 「TPOの基礎知識」 「コーディネイトの基礎講座」に少し触れていますから読んでみてください。
ゴルフも茶道も「型にはめる」と上達すると言います。
この「型」を知ることがイチ早く着物上級者になる道です。