【3】「きもののはなし」

<<第24回 コーディネイトの基礎講座 >>

着物のファッションコーディネイト。 和服では自信がない人も多いのではないでしょうか。 今回はそのヒント(要所&テクニック)をご紹介します。 もちろんお洒落は自由ですし、(難しいことを知らなくても)実際には結構センスが良いかたが 多いです。最後のキメ手は自分のバランス感覚!? 過去のコラムも参考に「TPOの基礎知識」「セオリーについて」

【基礎編】
◆color「補色」 たとえば、着物と帯がお互い 引き立てあうように、補色を意識して選ぶことがあります。 (例:ゆかたなら、紺地ゆかたに赤や黄色の帯がオーソドックスです。) 長襦袢、八掛けの色選びなど、チラリと見える場所ではインパクトが出せます。 礼装着物にあわせる帯はゴールド、シルバーの地色が定番です。
◆color「選択」 着物に使われてる色目から ひと色選ぶのもスッキリまとまります。 (帯〆・帯揚げ・八掛け選びで有効です。) 選択は統一感をもたせるコツです。これは色に限らず、全体を調和させて「魅せる」ポイントです。 (応用のその5を参照)
◆color「濃淡」 例えば着物が紫なら、淡い紫色の帯で、同色濃淡(逆もアリ)に してみるとモダンな雰囲気になります。重ね衿にも使えるテクニックです。 また、普段の洋服では選ばないようなピンク色でも、このワザが使えます。 彩度をおとした「グレイッシュピンク」なら 好感度の良い「ちょい甘」な女性らしさを演出できますよ。
◆「季節」と「物語」 デザイン、モチーフに季節を合わせると、 さらにポイントアップ。 上級者は、お互いに関連づけたストーリーを持たせる等の技があります。 たとえば、ウサギ柄の着物に、雪輪柄の名古屋帯とか。テーマを考えてみましょう。
【応用編】
◆雑誌を見るのが一番!
ふりそで・浴衣は流行のセンス、感覚を養いましょう。 また、右にあげたポイントを意識して雑誌を眺めると勉強になります。
◆足し算、引き算。 振袖のコーディネイトには、髪飾りや小物類にさまざまなモノを付け加えています。 これは豪華な晴れ着を演出するためです。 若い世代では、ゆかたにも同様の「勢い」が見られ、最近の傾向です。 ところで、コーディネイトは足し算ばかりではありません。 色無地や紬など、味わいのある着物には、引き算のコーディネイトが有効です。 (シンプル、上品さがアップします。) 行き過ぎると「お水系」「ギャル系」の雰囲気がでてきます。 昔から、行き過ぎ(粋すぎ)は逆効果、帰って来れないといいます。ご注意をw

◆メリハリの付けかた
その1 小紋、つむぎには「名古屋帯」を活用しましょう。趣味性が出せます。
その2 上記の髪飾りには「かんざし」だけで済ませるのがかえって有効です
その3 黒留袖、色留袖、上級のフォーマルは気品をテーマに選びましょう
その4 高額品も シンプル イズ ベストです。 
その5 着物と帯のデザインは共通の時代背景を感じさせるもので統一させる。 (例  平安時代の王朝風、江戸っぽさ、上方(京)風、大正ロマン風など)
その6 カジュアルスタイルならモダンに、フォーマルはクラシック。 (オーソドックスな好印象の組み合わせです。)
その7 目立ち過ぎをふせぐには、「ソシアル」な装い。 現代のTPOでは、コテコテよりも中間的スタイルが自然な場合があります。
その8 お茶席も「引き算コーディネイト」が好まれます。 色無地や付下げが無難ですが、帯留め等のアクセはタブーです。

◆帯合わせ
 季節に左右されないきものの柄には、帯に季節感をもたせる。
 重厚なデザインのきもの、個性的なデザインには、帯も負けないように。
 優美なデザインには、すっきりした袋帯。
 洋服感覚の色で着こなす場合には、帯も着物にとけこませると良い。

◆意匠(いしょう)を見る  意匠とはデザインに意味を持たせた物。吉祥文様などがあります。 着物の意匠を意識して使用する場、TPOに応じて使い分けすると無限に幅が広がります。 例、長寿のお祝いと亀の意匠。夫婦のお祝いに鴛(おしどり)。

<体型とのバランスでキレイに魅せる!>
◆太った人の場合・・・ 紺、朱色など濃い色目。 はっきりしたデザインの着物が似合います。 大きなデザインはさけた方が無難でしょう。
◆細身の人の場合 明るいやわらかい中間色。大柄の着物、胸に柄のないもの、 タテ柄の着物など、体の線をすっきり見せる。また、大島のように生地にハリのある紬を着るとカバーできます。   
◆背の低い人 中間色、小柄で総模様のものが良く似合います。
帯が強烈で上半身と下半身を分断するのはマイナス。とけこませるように。
◆背の高い人 上前に大きな柄があるものや胸に柄のあるもの。
洗濯板(失礼)体にメリハリがない人は大柄なデザインが良く合います。   
<ゆかた>で差をつける工夫は?
◆基本を忘れずに
 ユカタは夏の風物詩
さまざまなデザインがありますが、 まずは「着付け」が大事です。浴衣らしい、短めの丈で装いましょう。 (足のくるぶしが見える位)。涼しげに下駄をカラコロ音を立てて、 小粋な巾着にハンカチや手拭いを忘れずに。また、衣紋を必ず抜きましょう。 夏は特に「首すじ」「うなじ」をゆったりと出すと涼しく感じられます。 ポニーテールの髪型などは魅力をアップさせますね!
◆きものコーディネイトを
 取り入れて
帯を「変わり結び」するのが最大のポイントです。ユカタはお洒落でも帯で損をしている事が多く残念に感じます。 昨年と同じ帯でもOK、結び方で差がつきます! また、あえて名古屋帯(夏用)を合わせると上級者。 レトロな着物風に・・・長襦袢や半襦袢、半襟を使ったり、 帯じめ&帯留めでアクセントを付ける、足袋と夏用の草履をあわせる等。 ここまでこだわれば、ユカタがランクアップします。上品な<きもの夏スタイル>として、昼間からの お出かけ(ランチビュッフェや美術館なども大丈夫)ソシアルな装いになります。
◆自由な発想 かんざしではなく、髪飾りを使うとか、 かんざしを扇子のように帯に差し込んでみたり。サンダル・ミュールで和洋折衷を 目指すのも面白そう。若い子だったら、レースを縫いつけると可愛いですね(袖口、襟元、帯まわり)
◆最後はやっぱり原点回帰 浴衣らしい、涼しげな季節感を取り入れるのが好感度ナンバー1です。 昔のように昼と夜でゆかたの色を使い分ける、6月や8月でデザイン・モチーフを変える、 例えば初夏は紫陽花、お盆の頃にはトンボ。 これが「さりげない大きな違い」だと思います。 夏の花、ナデシコで「大和撫子」を気取るのもステキです。 昼は濃い色ベースのユカタでキリリと装い、夕方からは白色ベースでハッキリと目立つ装い。 これが基本ですが、逆に昼間から白色だと少し艶っぽい印象になります。

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